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現在位置: Wall Paper 物資支援プロジェクト ネットを利用した物資支援をお考えの方へ [3] 課題と提言 - 次の災害に備えるために

[3] 課題と提言 - 次の災害に備えるために

震災直後から約1年間、支援活動する中で次々課題が上がり対応を迫られました。 日々押し寄せる大量の情報の整理と、膨大なネット作業量により、軌道修正は容易ではありませんでした。 その状況と課題を記しておきます。

震災直後から約1年間、ふんばろう東日本物資支援プロジェクト(以下 物資PJ)が活動する中で次々課題が上がり対応を迫られました。

日々押し寄せる大量の情報整理と、膨大なネット作業量により、軌道修正は容易ではありませんでした。 その状況と課題を今後の参考にしていただくため、経緯を記しておきます。

 

ふんばろうの物資支援プロジェクトから見えたこと

「直接支援」だから続いた支援活動

  • ふんばろうの物資支援の特徴は、知り合いではない個人(支援者)が個人(被災された方)に心をこめた物資を宅配便等で送る「直接支援」である。
    今までの募金や物資提供にはないお互いの顔が見える活動とすることで、支援する側にも励みになり大きな結果を残すことになったのではと思われる。
  • 東北に「会いたい人」ができた支援者が旅行に行く、イベントやボランティアに参加しにいく、東北の名産品を購入する、などの交流にも結びついた。結果として「東北のファン」を増やすことにもなった。

 

物資PJシステムのメリット

  • 大規模災害で役所の機能が麻痺している時期にも、現場のニーズに沿った物資支援ができる。
  • 避難所代表の意見だけでなく、女性や子供、ペットなど幅広いニーズに応えられる。
  • 自治体による支援では全員に公平に配布が基本だが、避難所によって異なる要望の物資(種類、数量)が必要な分だけ送れる。
  • 衣料品等については、年齢・サイズ・性別に合わせた品を指定できた。
  • 震災当初、欲しいと言い出しにくい物資(嗜好品、娯楽品など)も送れた。
  • 日々変わる必要物資の状況に対応できた。
  • 少量の物資から送ることができ、大量に届いたため不要となる事態を軽減できた。
  • 送ってくださった人と受け取った人とが個人的にやりとりをすることにより交流が生まれ、東北からも地元のものを送るなど一方的ではない関係ができ、物資PJが活動を終了しても縁が続いた。
  • 既存のGoogleスプレッドシート(ネット上で利用できる表計算ソフト)やMovableType(ブログを作成・管理するソフト)を利用することにより、日本各地のみならず海外からのアクセスも可能であり、ファイルを共有することで、世界中から自分の都合の良い時間を利用してボランティア活動をすることが可能だった。

 

物資PJシステムのデメリット

地元への影響

  • 物資PJのシステムを知って活用している人にはたくさん届く、知らない人にはその機会はないという不公平は避けられない。
  • 多くの物資を受け取った方でも物資PJからの卒業がなかなかできないケースがあった。生活の足しになるということもあったし、多くの方に応援される安心感もあったと思う。しかし、支援に依存した状態になるのではという心配も抱いていた。

    つらい話であるが、ボランティアで物資の支援を始める方は、それを終わらせることも責任の一部だということを心に止めて支援を始める必要がある。物資支援は長期に続けることで副作用もあり(依存・自立の妨げ、支援する側の疲弊など)温かい心と同時に冷静な目を持っていつどのようにやめるかということを考えながら支援をすることが大切と考える。これが一番難しいことかもしれない。

  • ただで手に入る支援物資が行き渡ると現地商店が開業したときに、営業の妨げになる恐れがあった。
    「復興市場 ( fukkoichiba.com ) 」[ii] は地元の商店から商品を発送する(地元への利益還元)、高額商品は小口に分けて支援募集するなどの方法を編みだし、支援者の満足度が高いものとなった。
  • 物資配布の拠点となってくれた避難宅には、たくさんの物資が急激に集まったため、その仕分けや配布が大変であった。
  • ホームページ上で発送前の仕分けや内容物の明記をお願いしたが、現地への負担は無くならなかった。
    →送る側の「エチケット」「仕分けしやすい工夫」は重要なので繰り返しアナウンスが必要。

高齢者への対応

  • インターネットに不慣れな高齢者には利用しにくいシステムだったため、仲介者が必要だった。
    遠方に住む知人や家族が仲介する場合も多かった。しかし、離れているがため同情的になったり、噂などにふりまさわれる方もいてトラブルもおきた。
  • 当初携帯サイトの対応が不十分で、携帯での入力が難しかった
    →サイトは高齢者も使いやすいユニバーサルデザインが必須。パソコン・スマートフォンがない環境でも利用できることが必須。
    →代表電話番号での問い合わせ窓口は必須だった。またその電話を複数の貸与携帯をもつスタッフで分担して受けていた。電話料金については電話会社他の援助があり助かった。

個人情報の保護

  • 当初は連絡先を公開している避難所が多かったため、支援者から避難所代表者に連絡が殺到することがあった。
  • 複数のボランティアが「ふんばろうのスタッフ」としてばらばらに現地に連絡をしたため、情報が交錯しご迷惑をかけた。大人数、参加自由な団体の問題点といえる。
    →問い合わせはボランティア団体内に各避難所専属のスタッフを用意し、質問をまとめて聞くなどしたほうが負担をかけない。
    →方言の強い方もいて聞き取りが難しいケースもあった。現地出身者のスタッフが必要。
  • 震災直後は支援者の理解も大きかったが、日がたつにつれ募集品目が贅沢ではないか、もらいすぎではないか、との批判もあり、ネットなどで個人情報とともにさらされるケースもあった。
  • 個人情報の保護と、支援のスピードは両立が難しかった。
    →スピード必須の緊急期間は長くて3か月程度。(東日本大震災レベル)

    公共機関が機能していれば1か月程度。変化を見通した支援活動を組み立てる。

 

掲載基準の設定

  • ふんばろう開始当初は基本的に希望があるものはすべて掲載することとした。
  • 連絡のあった中からどの避難宅を登録するか、またどの物資を掲載するかをボランティアスタッフが判断していたが、明解な基準がなかったため批判もあった。また支援の内容を一方的に判断することが傲慢に思え悩むこともあった。
  • 登録していた方に掲載をやめる、減らすという話をすると電話口で泣かれてしまう場合もあり線引きが難しかった。
  • 時期を見て掲載基準を厳しくすることが必要であった。
    →ふんばろうでは2011年10月に掲載基準を設定し、各避難宅に郵送した。
    公共機関に被害のない災害では、当初から復旧作業に必要な道具などに限定しても充分と思われる。


膨大なサイト管理作業

  • ホームページへの登録・掲載・支援済み物資の削除など、入力作業をすべて人手で行っているため、支援のスピードに作業が追いつかなかった。
  • 震災直後はボランティアのモチベーションも高く気合いだけで乗り切れるが、3か月をすぎると日常生活とボランティア活動のバランスもとりにくくなり疲労がピークに達していた。それによりスタッフ間のトラブルも見受けられた。
  • 避難所の解散により世帯毎の支援や、半壊した住宅で避難生活をしている方からの支援募集が始まると爆発的に登録件数が増えた。
  • 支援状況を自動でホームページに反映するシステムの導入が検討されたが、支援の内容が多岐にわたるため決定的なシステム変更はできなかった。
    →支援可能な物資の基準を絞り、希望数と支援数を自動でカウントできるようにすれば使いやすいシステムができるかもしれない。活動開始と同時に、システム構築の専門ボランティアとタッグを組んで作業量を軽減させたい。
  • ふんばろう東日本支援PJがマスコミで紹介されると支援者・支援希望者、双方からの問い合わせが増えた。結果、ホームページの管理作業は膨大となった。
    →この作業を軽減することができるAmazonほしい物リスト[i] の活用、復興市場[ii] との連携は有効であった。
    Amazon社からの提案から生まれたAmazon班では、確実に被災地に届ける実績のある商店を選ぶ、ギフト設定のできる商品を選ぶなどの細やかな工夫で、ネットショップに不慣れな方でも安心して利用できるようにした。

 

支援物資の確認

  • ふんばろうのサイトで、「送りたい物がある方」から要望を募るフォームを用意したところ、すぐに500件近い申し込みがあった。
    また、自治体や企業から大量の物資を支援したいという申し入れがあった。

    →この対応のため、「マッチング班」が設立された。基本は登録された避難所などから、条件のあう物資を募集しているところを検索し案内した。

    →支援者への案内窓口になっている「避難所問い合わせ班」にもマッチングの依頼が届いていた。そのため、時に支援先が重複することもあった。マッチング情報の共有や、案内した時点で募集掲載を取り下げるなど工夫が必要であった。

  • 各地の避難所担当者は、大量に届く物資の整理や保存場所の確保で疲弊することが多い。SNSなどで情報が拡散されると大量の物資が送られてくる。送る前に、最新情報を確認し、むやみに物資を送らない方がいい。
    →「送りたい物」が被災地で必ずしも必要とされているとは限らない。一週間前2日前(2016/4/17訂正)にネットで拡散された情報は「古い情報」と認識しておいた方がいい。局所的な被害では、近隣で買い物ができるので、特に配慮が必要である。

 

[i]Amazonほしい物リスト
Amazon.co.jpが提供するサービス。リストに登録してあるものを他の人が購入することでプレゼントしてもらえるというシステム。

[ii]復興市場
支援物資を被災地のお店から購入して被災者へ届ける通販サイト、支援物資のオンラインショップ。

※Amazonほしい物リスト、復興市場について詳しくは下記のページをご覧ください。
http://wallpaper.fumbaro.org/busshi/amazon-fukko

被災地の状況の変化


物資支援側の動き


活動記録